「このままでいいのかな?」公務員キャリアに抱いた違和感と転職を決意するまで

朝起きた後しばらく動けない女の子のイラスト 転職の動機・背景
みおキャリ
みおキャリ

「このまま定年まで公務員として働き続けるのかな?」
そう考え始めたのは、市役所での異動がきっかけでした。この記事では、公務員ならではの”しばり”に対して違和感が積み重なった結果、30代で転職を決意した理由についてお話しします!

公務員の異動で感じたキャリアの停滞

広報から子ども関係の部署へ—“仕事の性質”の違いに戸惑う

子ども関係の部署になってからは、机に向かう事務処理中心の毎日。広報のように「人と関わって形に残るものをつくる」仕事とは性質が全く違いました。
やりがいがゼロだったわけではありません。Excel自動化で非効率を改善し、前年より作業時間を短縮できたときは嬉しかったですし、「次の担当者の助けになる」と思えたのも事実です。
一方で、子ども関係の部署はクレーム対応に追われがち。個人では解決できない要望も多く、自分の努力だけでは改善できない領域が大きい。達成感を得にくい日々に息苦しさが積み上がっていきました。

広報で見つけた「やりたいこと」ができないもどかしさ

広報時代、私は情報を整理してわかりやすく伝えることが得意だと気づきました。取材で相手の思いを引き出し、広報誌という形にまとめて市民に届ける。読者の行動や考えのきっかけになったとき、喜びを感じることができました。
本当は人見知りですが、多様な価値観に触れる取材は刺激的で楽しい時間。紙面づくりは深夜残業や休日出勤が当たり前で、しかも残業代は出ませんでした(笑)。それでも「読んだよ」のひと言が、すべてを上回る達成感につながっていました。
異動後、日々の事務処理に追われる中で、「大変だったけど、広報の仕事が好きだったんだな」と改めて実感するようになりました。

頻繁な異動がスキル習得を妨げる現実

公務員のキャリアはゼネラリスト前提で、数年ごとに異動が発生します。幅広い経験はメリットですが、私はどちらかというと一分野を深めてスキルを積み上げたいタイプ。
実際の異動は希望や得意分野より、空席の補充のための『穴埋め』が優先されがち。環境分野→子ども関連/お祭り→税務のように関連の薄い部署をまたぐこともあります。
結果として、「極める前に異動 → また一から学び直し」のループに。広報でようやく見つけた得意分野を活かしきれないことに、もどかしさと、将来へのスキル面の不安が膨らみました。

公務員の制度・職場風土が背中を押した理由

年功序列—「安心」と「努力が報われない現実」

公務員の給与は基本的に年功序列。毎年昇給があり、ボーナスも年に2回必ず支給されます。安定感は抜群です。

ただ、逆に言うと、どんなに成果を出しても特別に評価されることはほとんどなし。
同期が若くして大きなプロジェクトを成功させても、給与はプロジェクトに参加していない同期と横並び、何ならプロジェクトに参加していない先輩・上司の方が給与がいいのです。
私は業務効率化に取り組み、残業時間を削減し、数字でも改善を示しました。上司からは「よくやった」と声をかけてもらいましたが、給与には反映されません。
次第に「今の業務をよりよくしようとか思わず、淡々と同じことを続けてこのまま定年まで逃げ切るのが公務員人生なのか…?」と闇落ちしそうになることも。

予算の天井と機動力不足

行政の事業は常に税金で運営され、限られた予算で最大効果が求められます。
「あと少し予算があればもっと良くできるのに」と思う場面は少なくありません。足りない分や予算がつかない分はクオリティを下げるか、ときにはポケットマネーで補うことも。
さらに予算は前年度に編成されるため、途中で改善点が見つかっても「今年は無理、来年度から」。臨機応変な改善が難しい現実に、より良いサービスをすぐ実現できないもどかしさを感じました。

“公務員の看板”の重さ

法律に触れるような悪いことはしていませんが(笑)、市役所職員として顔が割れていると「職員がこんなことをしていた」というクレームが入ることも。
日常のちょっとした行動でも組織のイメージに直結するため、業務中はもちろんプライベートでも緊張感を抱え続ける必要がありました。この“看板の重さ”は公務員特有のプレッシャーで、仕事のやりがいとは別次元の負荷でした。

私の性格と公務員という環境

実は私はもともと環境を大きく変えるのが得意ではなく、石橋を叩いて壊すタイプ。そういう意味では「倒産しない・終身雇用」という公務員の身分はフィットしていました。
ただ、普段は変化を避ける私でも、考え抜いた末には大きな決断を下す一面もあります。
働き始めて数年すると、「人生は一度きりなのに、このままでいいのか?」という気持ちが徐々に大きくなり、30代でついに転職を決意しました。

過去にもあった「辞めたい」気持ち

実は今回が初めて転職を考えたわけではありません。入庁してから何度か「辞めたい」「転職したい」と思ったことはありました。
ただ当時は「こうしたい」「こうありたい」という具体的なビジョンがなく、ただ漠然と「辞めたい」と思うだけ。だから実際の行動には移せなかったのだと思います。

まとめ

「仕事の性質の違い」「達成感の得にくさ」「スキルの積み上げ難さ」――異動で感じたギャップに加え、評価や予算、看板のプレッシャーといった公務員ならではの“しばり”。
これらが少しずつ積み重なり、私の中で大きな違和感へと変わっていきました。

普段は変化をあまり好まない私ですが、人生は一度きり。このまま定年まで公務員として働き続けるのか?という問いに向き合ったとき、違和感の積み重ねが“答え”を示してくれました。
それが、30代で転職を決意した理由です。

次回:いざ、転職活動!・・・何からはじめたらいいの?!30代半ばマネジメント経験なしの私

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